第6話 小学生が山で謎の大量失踪...親子の絆を救え!

18人の小学生が山中で突如として失踪する謎の事件が発生。現場に向かったTOKYO MERの喜多見幸太(鈴木亮平)は、子供たちを捜索し、治療するためメンバーを分散する決断をする。これまでチーム一丸でピンチを乗り越えてきたメンバー達は、バラバラに闘うことに…。
音羽尚(賀来賢人)や弦巻比奈(中条あやみ)は原因不明の重症に陥った子供たちの治療に苦慮する中、喜多見も必死に処置に当たるが、必要な薬剤が全く足りない…!なす術のない喜多見に、最大の危機が襲いかかる!

Case 13 意識不明の少年

以下、発見からの流れ

意識不明の状態で発見

明らかな外傷なし(おそらく)
腹部超音波検査にて問題なし
胸部聴診にて右呼吸音減弱
胸部打診にて右上肺野に鼓音
酸素投与開始
緊張性気胸の疑い

胸腔ドレーン挿入(第2話の記事 を参照)

血圧低下

心電図モニターにて心室細動を確認

心肺蘇生開始、除細動準備

除細動

心肺蘇生再開

反応あり心拍再開

搬送


その後

小学生11名を発見

トリアージを実施

全員 熱中症と極度の脱水症状

上記に対して生理食塩液の点滴補液を開始


上記11名のうち1名が熱中症による熱性痙攣発作を起こす

いずれも生理食塩液による補液

また小学生11名中7名に発赤を確認

Case 14 レスキュー隊の蜂刺傷


喜多見チーフは小学生7名に発赤を確認したことから、環境や小学生の行動から蜂刺傷を示唆していました

そのため、蜂刺傷によるアナフィラキシーに備えるようします


アナフィラキシーとは
第3話 Case 10 でもお話しています
Case 10ではアーモンドアレルギー(食べ物)によるアナフィラキシーでした

今回は、蜂(昆虫)の刺傷によるアナフィラキシーとなります

アナフィラキシーの復習も含めて学習しましょう

アナフィラキシーとは、アレルゲン等の侵入により、複数臓器に全身性にアレルギー症状を発症する
生命に危機を及ぼすこともある過敏症状
意識障害や血圧低下を伴う場合、アナフィラキシーショックに陥る

アレルギーの多くはIgEが関与するものが最も多い
誘因:食物、刺咬昆虫(蜂、蟻)の毒、薬剤
薬剤の場合、IgEが関与しない免疫学的機序とマスト細胞を直接活性化することによる誘因もある

蜂による刺傷は、アシナガバチ、スズメバチ、ミツバチの順に多い
また、短期間に2回刺傷されるとアナフィラキシーを生じやすい


レスキュー隊のアレルギー歴がわからないため、おそらく今回は2カ所以上刺された事によるアナフィラキシーショックを起こしたものと思われる

レスキュー隊の叫び声を聞き、ミン看護師が突発的にレスキュー隊の元へ走ります

しかし、音羽医師は喜多見チーフと同様蜂刺傷の可能性を疑っており、単独行動の危険性を喚起しています


ミン看護師は倒れているレスキュー隊を発見
状態を確認している途中、スズメバチに襲われます
音羽医師とレスキュー隊の蜂退治のおかげで救われます
レスキュー隊はアナフィラキシーショック状態
点滴施行
モニター装着

アドレナリン静注

※心肺停止のため静注(通常のアナフィラキシーショックの場合はアドレナリン0.5mg筋注)

心拍再開

メチルプレドニゾロン(ソル・メドロール)をワンショット

※ステロイドでアナフィラキシーを起こすこともあるため、本来はワンショットではなく点滴静注が推奨されている

アンビューで補助換気しながら搬送


Case 15 麻酔科医の蜂刺傷

麻酔科医の場合、スズメバチに刺された経緯あり
アナフィラキシーを起こしやすい

子供を発見した際に蜂に刺される
そのまま子供と共に崖を転げ落ちるように転落

すでにアナフィラキシー症状が出現
全身に及ぶアレルギー反応
気道浮腫による気道閉塞
意識混濁

駆けつけた喜多見チーフがエピペンによる処置

徐々に改善


エピペン注射液0.3mgについては下記画像を参照


Case 16 麻酔科医の子供

崖からの転落後
すでに意識消失

発見の際の声かけ時に嘔吐あり

瞳孔確認

瞳孔不同あり

MERカーへ搬送

モニター装着

点滴施行

頭部の外減圧施行

施行中に冬木医師より心タンポナーゼの可能性を示唆されます(奇脈があった)

※奇脈:吸気と呼気で大きく血圧に差が生じること

心エコーにて心嚢液を確認

心嚢穿刺するが心嚢液排液できず

血圧低下

両側瞳孔散大

心膜開窓術と開頭血腫除去を同時に施行

頭部:開頭血腫除去術後、閉頭

心臓:心膜開窓術、心損傷を修復し心嚢ドレナージにて終了


心タンポナーゼとは

何らかの原因で心嚢(心膜腔)にある心嚢液が多量に、あるいは急速に増加して貯留してしまったために、心嚢内圧が上昇し、心臓が十分に拡張することができない状態を言う

その結果、心臓のポンプ機能が低下し急速にショック状態となる緊急を要する疾患

心嚢液が貯留しているスペースに向かって胸壁から針を刺して心嚢液を排液し(心嚢穿刺)、場合によっては一時的にチューブを挿入する治療(心嚢ドレナージ)を行い、ショック状態から救う

今回は以上です。お疲れ様でした。



TOKYO MER ~走る緊急救命室~ を読む

以前放送された、日曜劇場『TOKYO MER ~走る緊急救命室~』内にて起こる出来事。その時、医療関係者はどのような診断と処置を行い命を救うのか。ドラマ内における出来事をケーススタディとして記載しています。自己の再学習や、今現在学びを深めている医療系学生の学びに役立てていただけると嬉しいです。そしてご質問やご意見、ご要望、温かいメッセージ等は「メッセージはこちら」またはコメントからどうぞ!

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